{ﾒ}sora PDR-T20

TOSHIBA sora PDR-T20は、2002年6月に発売された200万画素のデジタルカメラです
購入価格は450円。
発売当初の実売価格は4万円前後です。

1/2.7型の214万画素CCDで原色フィルター。
レンズは2倍ズームで、F2.8-4の38-79mmでオートフォーカス。
素子サイズが小さく、2倍ズームというやや変則的な倍率ではありますが、
特に特筆すべきものは無いですね。まぁ、sora T10が単焦点だった所を見ると2倍ズームはありがたいのかもしれません。液晶はタッチパネル方式を採用した1.5型低温ポリシリコンTFT液晶。(11.8万ドット)
マクロは10cm、メディアはSDカード（256MBまで対応）、駆動は専用充電池（PDR-BT3）と、ここでこの機種最大のウリである、タッチパネル液晶が登場します。
元々soraシリーズはタッチパネル液晶を搭載していることが最大のウリですし、
T10をご紹介したときにも触れましたが、その点がまさに「時代を先取りしすぎた機種」と言われる理由です。
但し、この機種のタッチパネル方式はT10とは違い、感圧式を採用している（それじゃT10は何方式なのかというところが疑問ですが）らしいので、
ペイント機能等、新たな可能性を秘めているようです。ちなみにバッテリーについては、「PDR-BT3」という型番だけ聞くと専用規格っぽいですが、
なんてことはない、富士フイルムでいうNP-60、カシオでいうNP-30、リコーのRICOH DB-40などで採用されている、
非常に互換性の高い規格ですのでご安心ください。

あと、SDカードは本当に256MBまでしか使えないので注意が必要です。

機能としては、
デジタルズーム、セルフタイマー、シーンモードの他、
撮った写真にお絵かきが出来るペイント機能等がついております。

・購入時の状態
付属品：本体・バッテリのみ
状態　：電池蓋の爪破損
機能　：問題なし
台数　：2台（1台は故障）

・デザイン・メカ・インターフェイス
今見るとだいぶ厚ぼったいですが、
それでもこの丸みを帯びたスタイルはかなりスタイリッシュで、持ち歩いていても苦にならないデザインだと思います。
最も、このようなデザインは割と人気があり、
そののちも似た様なコンセプトのデジカメは何機種か登場しました。

IXY Digital Lシリーズや

京セラ最後のデジカメ、CONTAX i4R

そして、よくよく見ればなんとなく似ている以前紹介したD’zign DZ-338。
2回りぐらい大きいけどちょっと似てるPowerShot S30等々、
うん、無理やりですね。

電池蓋以外は総金属のボディなのですが、
どうも安っぽく感じてしまいますね。
ここがちょっと惜しいポイントです。

レンズバリアを開くとフラッシュが出てくる、一部の方に大不評の機構。
でも、ちゃんとフラッシュの設定は保持してくれます。

それよりも、レンズバリアと電源が連動していない仕様です。
富士フィルムと同じ仕様といえばそうなのですが、
電源をいれるときはレンズバリアを先に開けないといけないですし、
電源を切る時は先に電源レバーを引かなければなりません。

そしてスライドはちょっとぎこちない

レンズは特にひねりがない表記

かっこいい表記。
ちなみに、当時のレビュー記事等を眺めていると、
欠点が「東芝なのにSDカードを採用している」と書いてある記事を発見してしまいました。
確かに、スマートメディア陣営だった東芝ですが、
実はSDカードも東芝とパナソニックとサンディスクの共同企画だという事実があったりします。

側面。
SDカードスロットとバッテリー室は共通。
DIGITAL端子カバーなんてのもついていますが、
この当時は既にUSBのMiniBが普及している世代なんですよね。
端子カバーはちょっと開けづらい。

そして、それ以上に問題なのが電池カバーの硬さ。

写真の個体は壊れている方で、電池カバーの爪が折れてない方ですが、
まず、とにかく固い。
突起に爪を立てて引かないと硬くて空きません。
電池カバーのバネが強く、ロックが解除されると勢い良く開くのはいいとしても、
開け閉めに関しては本当に、壊してしまいそうで怖いというぐらいの硬さ。
構造上SDカードを頻繁に取り替える機種ですので、この機構はどうにかして欲しいところですね。

上部。
sora T10と似てますね

フラッシュのカバーが意外と大きいのもポイント

底面。
三脚穴が無いのが残念ですね。
ちなみに、赤いシールは自分で貼ったもので、
複数台所持しているものに関して、「正常に動く物」に貼ってます。
バッテリーも同様にシールで分けていくと中々便利です。

背面。
タッチパネルなだけあってだいぶすっきりしています。

・機能・仕様

起動は5秒程度とだいぶ遅いです。
とにかく、レンズをくどうするモーター音が大きく、
「ギュイーン」と、本当に壊れてるんじゃないかというぐらい大きな音を立てます。
この世代よりももう少し前の機種によくある現象ではあるのですが、
ちょっと動作が遅いですね。

立ち上がってからもだいぶ動作がゆったりで、
おおらかな気持ちでの操作が必要です。

UIは sora T10と似ているようで若干違います。
改良版のような感じで、それなりに使いやすいですね。
UI自体はT10よりも気持ち早いです。

面白いのは、T20では従来の「タップ」動作に加え、なぞったりして操作が出来るようになっています。
デジカメにGENIO（東芝製PDA、現在は生産終了）がプラスされたような感じです。
それが何に使えるかというと、ペイント機能ぐらいなのですが、
メニュー画面でなぞってもちゃんとアイコンのセンタリングが変わっていくのでおもしろいです。

操作は慣れれば直感的につかえそうですが、
個人的にはだいぶ違和感がありますね。

右側にある2つのボタン。
上がカーソルキーと決定キー。
下がプレビューボタンです。
タッチパネル操作が主なのでこのぐらいあれば十分ですね。
ちなみに、カーソルキーの上下はズームに割り当てられています。
ただ、このカーソルキーがまた使いづらい。
さっきから何回書いたか分かりませんが、とにかく「固い」んです。
正確には、親指の平をカーソルキーにおいて、
つめ先で動かすと軽く動くのですが、
カーソルキーを押したつもりが決定キーを押してしまうという事が多発してイライラ。
特にズーミングの時にその現象が頻発します。

タッチパネル側の左側のボタン類は、
上が画面に表示されているアイコン類を全部隠すボタン、
真ん中がメニューです。
ちなみに、メニューに入るとシャッター半押しでも撮影に復帰することができません。

下のカメラマークが撮影モードになっており、
それぞれこんな感じ
[note]・オート
・人物
・人物+風景
・風景
・マクロ
・スポーツ
・人物+夜景
・マルチ[/note]
やたらと人物+というのが多いです。

ちなみに、sora T10とは違い、
・モードを切り替えた後にオートに戻してもフラッシュ発光禁止等の設定は保持している
・フラッシュチャージでフリーズしない
という嬉しいメリットもあります。

なお、T10同様、マクロを使用するときはシーンモードを呼び出す必要があります。
そして、マルチは今流行のシーン自動切換えではなく、
昔のオリンパス製デジカメでよくあった、連写の代わりにシャッターを押すと1つの画像ファイルに16コマ記録されるというものです。

ここまでネガティブな事を書いて、
更に致命的といえる欠点があるのですが、
この機種、どうも露出補正という項目がありません。
この世代では珍しくISO感度も設定できるのに（100/200/400）どうも残念です。
後は意外とマルチランゲージだったり、
アニメーションが遅いけれど、意外といい感じに動くというというメリット等がありますね。
特に、シャッターを切ると絞り羽が動くアニメーションが出ます。結構面白い。

液晶は屋外ではちょっと厳しいです。
バッテリーはそこそこ持ちます。

AFはsora T10と比べたらマシですが、
それでも遅く、精度はそれなりです。

これに関しても慣れです。