フィルムカメラレビュー

京セラ

SAMURAI X3.0

一度見たら忘れられない
一見したらビデオカメラのような筐体でございます。
センスの塊とも言えるサムライがサラネ初登場です。

Kyocera SAMURAI X3.0は、
1987年11月に販売されていたフィルムカメラです
購入価格は840円。
当時の定価は59800円のようです。
思った以上に古いカメラでございますね。ずっと、その名前を知っておりまして、
いつか手にしてみたいと思っていたら普通に転がっておりました。
当時、かなり売れたカメラなようでございまして、
京セラとしても、後継機を何機種か出しております。
そして、最終的にはデジタルカメラにまでなっております。

このカメラの奇抜さはデザインだけでなく、
レンズ交換はできないものの一眼レフカメラであること。
そして、35mmハーフ判のカメラでございます。

その形状は、ハーフ判故にフィルムを縦送りにする構造上こうなったようで、
非常に理にかなった設計のようでございますね。

スペック

・使用フィルムは35mmフィルム（ハーフ）
・オートフォーカスは1点(像面位相差）
・シャッタースピードは1/500-2秒

・レンズは25-75mm F3.5-4.3 13群14枚構成
35mm換算35-105mm

・最短撮影距離は1m

・DXコード対応

・2CR5を使用
・オートローディング・自動巻き上げ

レンズの攻勢枚数が実に多いですね。
こんな筐体でマニアックでありながら、
実はフルオート専用機というアンバランスなカメラでございます。

・デザイン・メカ・インターフェイス

ずっしりと重く、
そして、でっかいですね。
何でしょう、フォーサーズ機におけるE-1みたいな感じといいましょうか。
ハーフ判なのにでかいなーという印象はあるものの、
小型化するためのハーフ判ではないというところなのでしょうね。

そして、基本的にはフルオート機でございますので、
非常にシンプルなレイアウトでございます。
撮影は片手で握るように持つ感じでございまして、
ビデオカメラよろしく、

しっかりとホールディングできます。
電源スイッチはボタンを押しながらレバーをスライドさせる感じでございまして、
赤が表示されたら電源ONという感じでございます。

前から見るとこんな感じ。
京セラロゴはもう出来上がっているんですね。

レンズはそこそこ大きいです。
画角的には使いやすいのではないでしょうか。
電源を入れると繰り出してきます。

側面。
かっこいいロゴ。

X3.0のデザインは、
昭和あるあるですね。
IBM的な感じの。

リセットボタンがこんなところに。

背面。

なお、
撮影時は不動品でございましたが、
いつの間にやら動くようになりました。

モードとか、
でも、何かができるというわけではありません。
フラッシュのモードと、
簡単な連写ぐらいですね。

ズームはこちらで。

片手で握ると押しづらい位置にあります。

電池室はコインで開けます。

底面には謎の接点。
なにか、装着できたのでしょうか。

フィルム室。
見慣れない構造です。

・画質・撮影

起動はそれなりでございます。
動作に関しては非常にもっさりでございまして、
ズーム動作を含め、
AFの駆動スピードもやっぱり遅いですね。
遅いだけでなく、
ガクガクガクっと豪快な音を立てます。
テレ端側では顕著になるようでございまして、
なかなかピントが合いません。
実際、結構AFに関しては大外しすることもしばしばですが、
何故か、ファインダーではあんまりピントがわからないですね。
一眼レフカメラではございますので、
構図は非常に決めやすくはあります。

昭和の電子機器的な感じで、
駆動音が撮影を楽しくしてくれますが、
ハーフ判ということで撮影がちょっと大変なのと、
縦位置で撮りづらいのが難点でございます。

ハーフ判ということで大伸ばしはちょっと厳しそうな感じでございまして、
解像力はそれなりでございます。
遠距離はちょっと苦手で周辺の流れもそれなりでございます。
ただ、撮っていて楽しいカメラでございました。

使用フィルムはMy Heart” Fuji Color Negative 35mm Print Film ISO400,
又、スキャニングはGT-X970で行っております。