
▶飲食レビュー














■お味について
うつわに中身を開けてみると意外とスープの量は少なめな印象で
香りはそこまで強烈ではなくておでん特有の優しいお出汁の香りがほんのりと漂う程度です。
スープの色も本家の赤から鍋のような燃えるような赤さではなくて意外と辛そうには見えないビジュアルです。
ベースは昆布や鰹が効いた関西炊きのような上品なお出汁の風味なのですが
後から追うように名古屋らしい甘めの味噌やコチュジャンのコクがじわじわと絡んできます。
食べ始めはおでんなのに後味はしっかり濃い味で
レトルト食品特有の煮込み感は正直ありますがふっくらした大根は芯までしっかり味が染み染みで非常に美味しいです。
続いて紀文の真骨頂である練り物はお出汁の甘みの中に喉の奥へチリチリピリピリとくる唐辛子の辛味がしっかり入っていますね。
この刺激の質は確かに赤かららしいエッセンスを感じます。
ただ激辛で食べられないというレベルではなく誰もが安心して楽しめるマイルドなピリ辛仕様に調整されていますのでお酒のアテには最高の塩梅ですね。
具材としては大根や玉子練り物のほかにおでんとしてはかなり珍しい豚モツが入っているのが面白いポイントで柔らかく煮込まれていて美味しいですね。
ただおでんとして完成させるためのトレードオフなのか具材全体のボリュームやこんにゃくや練り物などのバリエーションに関しては、少し寂しさを否めないのが正直なところです。
かといって自分で具材を足そうにもこのパウチのスープ量では少なすぎて追加の煮込みが難しいので
このあたりのボリューム設計は少し悩ましい仕様ですね。
全体的なスープの設計としては赤からの特徴的なスープをおでん出汁で割ったような非常に和風で上品な仕上がりです。
それ故に本家のあのガツンとくるジャンキーなパンチや魅力が少し削られてしまっている印象もありおでんとしても鍋としても
どこか一歩踏み込みきれなかった中途半端さは残るかもしれません。
鍋になりきれなかったおでんという表現がしっくりきます。
ですが玉子は絶品ですね。
白身は柔らかく仕上がっているのですが不思議なことになぜか卵の黄身の中にだけしっかりとした強い辛味が凝縮されています。
このお出汁と黄身の濃厚さが合わさる瞬間はなかなかの衝撃です
価格を考えれば十分に満足できる大人のための変化球おでんでした。



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