デジカメレビュー
キノ精密工業
Kiron 28-210mm F4-5.6 MC Macro
M42マウント
謎のレンズ、キロンでございます。
なお、キロン及びキノ精密工業については、こちらで触れたので、
参照いただければと思います。
[warning]※今シリーズの内容は個人的な見解でございます。[/warning]
Kiron 28-210mm F4-5.6 Macro MCは、
1987年頃に発売されたのM42マウントのレンズです。
当時のメーカー希望小売価格は92000円。
購入価格は1080円とだいぶお買い得でございました。
前回の35-135と比べると非常に情報が豊富でございますが、
逆にスペックについて触れているところは殆どございませんでした。
どうやら、輸出向けに販売していたキロンでございますが、
当時としては珍しかった高倍率ズームレンズであり、評判も良かったことから日本に逆輸入されたという経緯があるようです。
代理店はハンザで知られていた近江屋写真用品のようです。
高倍率ズームレンズといえばタムロンが有名でございますが、
タムロンが28-200mmを最初に出したのが1992年のお話ですので、
このレンズは高倍率ズームレンズの先駆けといっても過言ではないでしょうか。
(もちろん、タムロンは小型化とAF化を同時に成し遂げているわけですが)
■カタログスペック
■仕様 vl1.1 | |
焦点距離 | 28-210mm |
開放F値 | F4-5.6 |
絞り羽根数 | 6枚 |
最短撮影距離 | 1.2m |
最大撮影倍率 | – |
レンズ構成 | 11群14枚 |
フィルター経 | 72mm |
フルサイズ対応 | ○ |
超音波モーター | x |
手ぶれ補正 | x |
防塵防滴設計 | x |
フルタイムマニュアル | – |
重量(実測) | 793g |
なお、後に開放F値がちょっと明るくなった3.5-5.6というのが発売されているようでございまして、
そちらのレンズと情報が混ざっております。
ただ、後述する自重落下防止ネジの有無とレンズの造形の違いのみで、
レンズ設計自体にはほぼ差はなさそうでございますね。
■デザイン・メカ・インターフェイス
口径もこの当時では相当大きかった72mmでございますし、
なんというか、すごい迫力です。ズームは当然直進式で、
ピントリングはやや軽めでございます。
ただ、スカスカというわけではなく、よくできてますね。
マクロ機能がついており、
望遠にしてピントリングを右に回すとマクロに切り替わります。
とはいえ、それほど寄れるわけでないですが。
そして、マクロの状態から広角側に引っ張っても途中で止まりますので、
慣れていないと少し焦ります。
そして、ズームレバーを一番手前に持っていても、
隙間が完全になくなるわけではなく、
28mmの数字分隙間が空きます。
自重落下防止用にネジが付いていることです。
最初は三脚座がついたりストラップをつけるのかなと思いましたが、
ネジを締めると止まります。
近年のレンズのようなロックレバーとは違い、
がっちりと止まりますね。
自重落下防止用のネジです
画質・撮影
こちらのレンズもカビが多く、
正常な評価はしかねるところでございますが、
その当時の高倍率ズームレンズと考えればこんなもんだと思います。
まず、絞り開放だと非常にゆるゆるでございますね。
カラーバランスも崩れれば、
周辺光量落ちも盛大で、ピントの芯もないような感じにはなりますが、
かえって、こうなってくれたほうが味があっていいと思います。
このような表現はあまり好きではないですが、レトロな感じで撮れますね。
逆に絞ってしまうと意外とちゃんと写りますね。
解像感もなく、
実用になるようなレンズではないですが、
たまに気晴らしに持ち歩くと楽しいレンズでございました。
画像
作例はα7IIとK&Fのマウントアダプタで撮影しております。
絞り開放
F11
絞り開放
F11
執筆日:2019/07/08
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