購入価格は250円。
当時の価格は30000円前後だそうです。NTT Docomoというように、この商品はデジタルカメラではありません。
それではなにかというと、PDAという方が近いのか、
とりあえず、携帯情報端末というもので御座います。
どちらにせよ、インターネットの普及機であり、
インターネットで色々なことをしようと試みていた時期の機種でして、
NTT Docomoにおいても、PHSの高速通信を利用してなにか出来ないかを模索していた頃だったようでして、
そのPHS回線を利用した各種サービスM-Stageを立ち上げました。
その中でもこのeggyは動画配信サービスであるM-Stage Visualに対応した初の情報端末なのです。
2000年というのはもちろんFOMAのサービスも開始しておらず、
i-modeが開始されてまもなくの頃。
NTTDoCoMoのPHSサービスも、2年前にNTTパーソナルを吸収してからも携帯電話の普及で伸び悩んでいた時期ですので、
巻き返しに相当力を入れていたということも伺えます。その後、M-Stageはどうなったのかというというまでも無いわけですが、
動画配信(M-Stage Visual)に関しては近年BeeTVという似たようなサービスが開始されましたし、
音楽配信(M-Stage Music)も、リスモやらなんやら着うたフルやなんやらで最近熱いです。
まぁ、時代が早すぎたわけですが、
この機種が対応しているのはあくまでM-Stage Visualのみということですw
まぁ、そんなこんなでデジタルカメラでは無いのですが、
実はこの機種、当時相当投げ売りされたようでタダ同然の金額でばらまかれ、
更にこの製品のベースが当時シャープが製造し、
当時としては驚異的なMPEG4が撮影出来る高画質デジカメ、
インターネットビューカム VN-EZ3ということで、
デジタルカメラとして飛ぶように売れた機種で御座います。
ということで、サラネではこの商品をデジカメとして紹介致します。
にしても、インターネットビューカムって、ネーミングが凄いですねw
余談ですが、シャープはインターネットという言葉が好きなようで、
この3年前にも試作機として「インターネット冷蔵庫」というモノや、
近年記憶に新しい「インターネットアクオス」なんてものも発売してましたね。
そういえば、以前紹介したネットウォーカーのキャッチコピーも「モバイルインターネットツール」でした。
・カタログスペック
1/4型の35万画素プログレッシブCCD素子で、原色フィルター。
レンズは単焦点で、F3.4で焦点距離は37mmです。
画素数は仕方が無いですが、
動画に特化した構成になっていることが分かります。
レンズは暗いですが、まぁ、画素ピッチが広いのであんまり問題ではありません。
液晶2型の低温ポリシリコンTFT、マクロはなし、メディアはCFカード、駆動は専用バッテリー(S003M)です。
液晶はなんとタッチパネル液晶。
元がインターネットやメール受信も出来るPDAですからね。
マクロについては仕方がないとして、
一番のネックは専用バッテリーでしょうか。
モノがモノだけに今では入手は絶望的ですし、
本体側で充電するわけですが、
DC 10Vなんて書いてあるのでなかなか難しいですw
機能としては、
上記の通りMPEG4の動画撮影、
そして、M-STAGE Visualへの対応。
C-HTMLでのブラウジング、メール作成など、
本当にPDAですねw
・購入時の状態
付属品:本体のみ
状態 :使用感あり、CFスロットカバー欠
機能 :良好
台数 :1台
・デザイン・メカ・インターフェイス
eggyというからに、
近未来を勘違いしたような卵型のデザイン。
結構大型なのは性能から見ても仕方が無いですね。
表と裏がわからないところもあんまり良いデザインとは言えませんが、
結構キュートなので実は良いデザインなのかもしれませんがw
厚ぼったいわけですが、
回転カメラが面白いですし、
実は結構人間工学に基づいているということが分かります。
握ったときにシャッターボタンが丁度指にかかりますし、
ボタン類も大きく押しやすい。
ただ、そのシャッターボタンを人差し指でおそうとするとカメラ部に指が入り込むわけですがw
ボタン類が多い訳ですがそれほど気になりませんし、
うまく設計できてるなというのが印象です。
ただし、CFスロットやバッテリカバーなどは、
引っこ抜けば抜けてしまう仕様なのはなんというコストダウンの塊w
三脚穴が無いのは結構残念ではありますね。
動画に強いので三脚に価値はありそうなワケですので。
・機能・仕様
起動は7秒ととても遅いわけですが、
立ち上がってしまえばそこそこの快適感はあります。
とはいえ、撮影においてだけしか確認出きないわけですがw
液晶は見やすく、
上下の視野角がちょっと狭いのは気になりますが、
流石低温ポリシリコンですね。
タッチパネルに関しては撮影する際は一切使用いたしません。
動画、撮影の切り替えに関してはMODEボタンで切り替え。
その時に画面以外にMODEボタン横のインジケーターが光るので、
そういうところのギミックがカッコいい。
なお、この機種はPHSとつなぐことにより上記のM-Stage Visualやインターネット、メールの送受信が出来るようになるのですが、
それをするには背面のデータ転送ポートに携帯電話をケーブルでつないで行うか、
CFスロットにP-Inカードを差して行うという2種類の方法があります。
CFスロットにデータカードを差してしまうともはやどうしようもないので、
一応、6MBの内蔵メモリが入っています。
まぁ、FOMAとくっつけられないことや、
DocomoのPHS事業が終了した関係でももうどうすることもできなくなってしまいましたけどねw
純粋にカメラとしてでは、
結構楽しいですね。
もちろん、画素数的にも厳しいわけですし、
パンフォーカスカメラなのですが、
暗いところにも割と強いですし、
動画もメモリいっぱいに撮れますし、
インターバル撮影(何秒間に1枚という速度で)、それを動画にすることが出来るというなんとも面白い機能がついていますね。
あと、レンズの機構も非常に合理的で、
レンズを下に向けるとプレビュー、
回すと撮影と、
良く出来てると思いますよ。
また、撮影後にタッチペンで写真にいたずらをしたりすることもできるので、
なかなか面白いです。
・画質・撮影
●画質
画質に関してはちょっと残念ですね。
奇しくも2000年というのはカメラ内蔵携帯電話であるJ-SH04が発売された年でありますが、
その時代のカメラ付き携帯電話よりも若干良いぐらいの画質ですね。
マクロは壊滅的に弱く、
逆光時は盛大にスミアノイズが出ますし、
ピントにしまりがありません。
でも使っていて楽しいですし、
確かに、デジタルカメラでございますw
画像
「拡大・元データ表示は無圧縮です」
拡大・元データ
ノイジーですが楽しいです。
拡大・元データ
マクロ。
その他の写真はこちらにございます。
評価
評価基準は私、さらもでの主観と個人的な思い入れで決定しております。
よって、上記内容と共に全くアテにならないこと請け合いで御座います。
画質などに関しては画素数に関係なく、「現在でも通用するか」を基準に採点しております。
(10段階、100点満点)
デザイン :08/10:見た目・質感・安っぽさは減点
仕様 :02/10:マクロ、画素数、レンズ、液晶など
機能 :09/10:必須機能や便利、面白い機能
挙動 :02/10:起動の速さ、動作の速さ等のレスポンス
使いやすさ :02/10:主に操作性
AF・露出精度 :05/10:AFは正確か、
画質 :02/10:文字通り
輝き度 :10/10:ありきたりではなく、尖った何かがあるか
価値 :04/10:レア度、今でも買う価値はあるか等
お気に入り度 :01/10:今後も使い続けたいかなど
合計:45/100
サラネ式デジカメ採点システムテーブルa ver1.00
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